しあわせ探し
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昨年末、いきなり届いた手紙。
封を開けて手紙を読んで、一瞬頭が停止しました。
なぜなら、手紙をくれたのは祖父だから。
御年80歳。
私が知るじっちゃん・ばっちゃんは、とても仲が良かった。
祖母はとても料理が上手で、煮干しのお味噌汁が、
鮭のお寿司が、赤カブの漬け物が、、とっても美味しくって
ふっくら年をとった手が大好きだった。
祖父は、いつも静かに笑っていて優しく、強く、
いつも私がしたいことをさせてくれた。
10年ほど前に祖母が発症した認知症と夫婦で戦い、
祖父はなれない家事・介護をしながら、
大変な思いをして毎日を過ごしていたようで、
「今まで自分を支えてくれたから、こんな時には支えないと」と。
遠くの孫はそんな状況に何一つできずにいた。
数年前に祖母が亡くなったときも、じっちゃんは気丈にしていた。
そして、自分のご飯よりもばっちゃんの花を真っ先に買っていた。
私はいつも、どうしているかなぁと心の底で気にしていた。
そうしていたら、届いた手紙。
ずっと、誰よりも祖母を大事にしていた祖父が
他の人と結婚するなんて…と一瞬思いかけたけれど、
人間は幸せを求めるもの。
誰かと一緒に笑ったり、
側にいるだけで…日だまりのように暖かい。
何よりも、一度死んでしまった人は戻ってこない。
呼吸しない。ご飯を食べない。話してはくれない。
そのうち、体がなくなり「無」となってしまう。
自分自身も、おなじように。
でも、残った記憶はなくならない。
記憶の中の幸せをたまに引き出して楽しみながら、
現実を一生懸命生きた方がきっと幸せ…と私は思う。
山もあって、谷もあって、
一生懸命生きてきたじっちゃん、
どうぞ幸せに、そして長生きしてね。
…と普段書かないような内容を書いてしまった。
人生のうま味日記ということで。
私も、山あり谷ありの人生を送ってきて、
人の死はそれほど遠い存在ではないと
常日頃思っている。
毎日テレビの中で、たくさんのなくなった方の情報が流れ
その悲しみの数は、、言葉に表せないほどに強いと思う。
でも、ずっと幸せに生きてきた人たちは、きっとまた立ち上がって
幸せを探して生きていく…と信じています。
何もできないけれど、言葉の応援はできる。
飲み込まれた日常は、きっと頭の中で生きているので、
思いを忘れずにしっかりと生きていって欲しいと願ってます。